歴史小説を大衆小説の花形ジャンルに引き上げた、モダンボーイ作家直木三十五が、鋭敏な感性で、時代の変わり目を感じ取り執筆した小説【日本の戦慄】の出品です。空想的に予測した事実が現実になったと序文で述べ、この作品は、<太平洋戦争>という大きな作品の一部で、【日本の戦慄】とつけた題も、適当ではないという。
ゴシップ作家からプラトン社編集者、マキノ映画脚本作家と変身活躍、飛行機や自動車を乗り回すなど、時代の先端を駆け抜けた鬼才!直木三十五。歴史小説から新生面の国策小説や未来小説を書いて、転換を図った渾身の一冊です。
戦争画で人気のあった、武藤夜舟の装幀と挿絵。上海を描いた口絵5点も新鮮。新しい時代の戦記小説を象徴するような装本も魅力!
◎中央公論社刊 初版箱 昭和7年6月発行 429頁
▲状態は、経年のスレヤケシミ等ありますが、箱・本ともしっかりしており、元パラフイン紙も付いており、まずまずのコンデションです
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